富士通社長「経営目標の達成は無理」--価格下落と不採算案件の対応急ぐ


不採算案件の多くは2001年から2003年に作業を開始している。黒川氏は「個人プレーによる営業が多く、案件の取り方(見積もり)が甘かった」と話す。案件を精査しないまま受注してしまい、しかも「営業やSEが『顧客との交渉によって収支を改善できる』と言ったために様子を見ていた」(黒川氏)ために、結果として傷を広げる形となった。2005年3月期は、同社のSEのうち、33%が不採算案件に携わっていたという。「優秀な社員ほど不採算案件に回す必要があり、新規案件に対して機会損失を招いていた」(黒川氏)

黒川氏とは富士通代表取締役社長の黒川博昭氏。
なんか銀行の不良債権に似ている。

  1. ノルマ主義による無理な貸し付け
  2. 債権の不良化を防ぐため追い貸し
  3. 結果として不良債権の額が増大

本当の両親どこに 福岡の男性、46歳で別人と判明

あなたは両親と血のつながりがない――。そんな事実を昨春、46歳になって突きつけられた男性がいる。「産院でほかの新生児と取り違えられたに違いない」。親捜しに手を尽くし、「元気で生きているだろうか」と思いを募らせている。

こういう記事を読むと書かれていないことの方に目が向いてしまう。

「健康でいてくれたら」。男性は離ればなれになった実の親への断ちがたい思いを語る。その一方で「育ての親」である両親についても「親であることに変わりはない。これから、もっと大切にしたい」と話した。

取り替えられた当の相手については何も語っていない。
記者には語ったのかもしれないけど記事にはなっていない。本人にしたところで「健康でいてくれたら」とか「親であることに変わりはない」のような簡潔に言語化できて他人にも了解できるような感情は抱いていないだろう。
この記事をよんで不安に思う人もいるんじゃないだろうか。自分のアイデンティティを脅かしかねないような人間がうろついているわけであるから。
推理小説なんかだとこの人は殺される役が振られるだろうなあとかくだらないことを考えてしまった。

<コーラン冒とく>「トイレに流した」FBI公式文書に記載

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050526-00000041-mai-int

なんというか見事に情報操作にはめられたような

  1. ニューズウィークに記事が載る
  2. 大統領激怒
  3. ニューズウィーク記事撤回

この流れのインパクトが大きすぎて、あとからコーラン冒涜を裏付けるニュースが出てきても人々はもう信用しないのである。
これは個人のBlogだから好き勝手なことを書くのだが、アメリカでは以下のような情報操作が行われているのではないか。

  1. マスコミにブッシュに政権にダメージを与えるようなネタをつかませる。ただしこれはガセネタ。
  2. これを信じたマスコミが報道。
  3. 誤報であることが判明し、マスコミの信頼性が失墜
  4. ブッシュ政権に対し批判的な報道を米国民が信用しなくなる

先般のラザーゲート事件もこのパターン、反ブッシュ->誤報->権威失墜である。
さすがに2回目となると何かあると思った方がよいと思う。

中華文人食物語

中華文人食物語 (集英社新書)

中華文人食物語 (集英社新書)


ページをめくる度に著者に対する怒りがふつふつと湧いてくる本。


文人と題名にはあるが、文人に限らず中国の古今の著名人が愛した料理を著者は博識の限りを尽くして語っている。。
それにしても中国はうらやましい。古典に出てくる料理が今でも食べられるのだから。
これが日本だとどうであろうか。古典に出てくる料理を再現したところで現代の我々の口には合わないだろう。それ以前に古典を読んで「この料理が食べたい」と思うことがどれだけあるだろうか。今昔物語(成立は12世紀)の芋粥のエピソードを読んで「俺も芋粥を食ってみたい」と思う人はどれだけいるだろうか?*1
一部の例外を除けば古の人々が愛した料理で我々の口にも合うのは江戸時代以降のものとなるだろう。
そこへいくと中国は違う。蘇東坡(1036-1101)の東坡肉を始め古典に出てくる料理やその直系の子孫がばりばりの現役なのである。東坡肉なんかその辺のラーメン屋にもある。
そしてなにがうらやましいって、著者はそういう中国古典に繋がる料理をあちこちで食いまくっているのである。
ハノイでビヤホイ*2飲みながら犬の腸詰を食うのはまだ許そう。上海で蝦子大烏珍、蝦の卵で味付けした大ナマコを食うのもまだ許せる。あたしゃナマコ食わないからね。しかし水道橋や新宿といった僕にとっても手近な場所でうまいもの食いまくっているのはチト許せないのである。

数年前、夏のうんと暑い盛りに、知人と西新宿の公園を歩いた事がある。日が暮れてきたので、方南通り沿いの「山珍居」に行って夕食を食べた。御存知、台湾料理の名店である。
席について、季節のメニューを見ると、「スッポンの卵」と書いてあったので注文した。それと苦瓜のサラダを肴に老酒を飲みはじめた。
スッポンの卵で例の酒漬けで、冷やしてあり、口に入れるとスーッとする。薄切りにした苦瓜はほのかに甘く、これも清涼な感じである。たちまちに暑さを忘れて、十分に酒を飲んだ。

中華文人食物語 62ページ

このくだりを読んで平静な気分でいられる人はよほど寛容な気性の持ち主なのであろう。僕なんか本に向かって俺にも食わせろと食ってかかりたくなる。
とにかく面白い本である。ただし空腹時に読むのは全くお勧めできない。

*1:実際には芋粥結構美味しいそうです

*2:ベトナム地ビール