治安悪化

via http://fukaz55.main.jp/mm/2005_06_07.htm

新聞社に身を置く立場からすれば、実にこたえる指摘である。「あなた見られてます」では、遅ればせながら、しかも不十分ながらではあるが、こうした「数字のからくり」にも触れた。そして、実際のところ、この種の「実は日本の治安はそんなに悪化していない」という指摘は、実は世の中には他にも多くある。ただ、多くの場合、そうした見解は「治安悪化」の大合唱の前で後景に退いてしまい、「じゃあ、あんたの家族はどうなってもいいんだな」式の言説が冷静な分析を飲み込んで行っているのではないか、と。警察庁内閣府の調査によると、自分の住む地域の治安が悪化したと感じている国民は1割、しかし他地域の治安が悪化したと感じる国民は6割だという。そして、9割の国民はテレビや新聞で「治安悪化」を感じているというのだ。

もはや手遅れというか「テレビや新聞で「治安悪化」を感じている」どころではないです。
以前書いたネタですが

曖昧なメモが引き起こした事態
http://d.hatena.ne.jp/moleskin/20050513/p1

仙台市宮城野区に住む無職男性(20)が自殺をほのめかすメモを残し、そのメモに「5月6日or9日(人数)午前7時半」と書いてあったことから仙台市内の学校で部活休止、集団登下校という事態になったものです。

この件、河北に続報というかまとめ記事がでています。


仙台市宮城野区の20歳の男性が『5月6日か9日に不特定多数に危害を加える』とメモを残して家出した」

仙台市の各校は「予告日」に教師と親が登下校時間帯に通学路を見回ったり、部活動を中止したりして警戒。情報は隣県にも広がり、福島県教委が県内の学校に文書で注意を呼び掛けた。

 騒動は結局、男性が9日に札幌市にいることが確認され、空騒ぎに終わった。それでも、仙台市教委は「情報の真偽が定まっていなくとも、早い段階で通報を受けた方が危険回避につながる」と評価している。

福島県教委は昨年1月、福島県警と相互連絡の協定を締結。「学校は事件にならなくても最新の情報を知っておきたい。広域犯罪が増え、隣県の情報も必要になっている」と通報を歓迎している。

ニュースの現場で考えることに昔の犯罪報道がのんびりしていた例として「昭和30年代の九州の一家5人殺しを北海道新聞で探しても、実は掲載されていなかった」という例を紹介していますが、今や隣の県で妙なメモを残して失踪したという事件が県教委に通報される時代です。

北海道新聞のほうでもこの事件、取材されてはいかがでしょうか。河北は「警察が学校に不審者通報 危険回避へ成果は上々」というタイトルを付けてますので。