共犯

交渉による解決が閉ざされたとき、穏健派は求心力を失い、交渉をあてにしない強硬派が力を得る。 ベスラン事件のような大事件が起こるたびに、 チェチェンを知る世界中の活動家やジャーナリストたちは、 待ち構えていたように、チェチェンの悲惨な状況を知らせようとしてニュースを書き、インタビューを受け、集会を開く。 「こんなことでもないとチェチェンは注目されない」と、そのつど痛感し、 まるで自分たちが、強硬派との共犯関係にあるような錯覚に陥ってしまう。 それは、チェチェンの人々にとっても同じなのかもしれない。