世界のおもちゃ化が進む?

040727 - ilovebees (1)
http://www.radiumsoftware.com/0407.html#040727
040728 - ilovebees (2)
http://www.radiumsoftware.com/0407.html#040728

Xboxの超大作Halo2の予告編の最後のところに出現するURL http://www.ilovebees.com/

一見,普通のおばさんが運営するサイトなのだが,いきなり「HALT - MODULE CORE HEMORRHAGE」とかやらかしてくれる.どうも運営者のマーガレットおばさんは何かのトラブルに巻き込まれたらしい.
というのは実はhalo2のプロモーションのための仕掛けである.

プロモーションのために妙なサイトを立ち上げるというのは最近日本の一部でも有限会社引きもどしが話題になった.(対ひきこもり専門会社 on スラド)これは映画宣伝のためのサイトなのだが,実在する会社だと思って見事にひっかかったやつもいる.事実,スラドには当初事実としてたれ込まれてしまった.

まだ考えがまとまらないのでメモとして書いておくが,直感的なキーワードでしか説明できないのだけど「世界のおもちゃ化」とでも呼ぶべき事態が進行中に思える.http://www.ilovebees.com/などは映画のプロモーションであると同時にゲーム,仮想現実ゲームとしても成立している.

以下 Radium Software Developmentから引用

プロデューサ兼ディレクターである Jordan Weisman 氏は,インターネットというメディアが,かつてからの構想を実現する力を秘めていることを悟る。インターネットを介して物語の断片が大量にバラ撒かれ,プレイヤー達はそれらを繋ぎ合わせることによって謎を解いていく。それがゲームであるということは絶対明かされることがなく,現実と非現実の境界線は酷く曖昧な状態に保たれる。捏造された写真,捏造されたビデオ映像,捏造された音声,捏造された企業……それらの情報が,主にはウェブサイトを使い,ときにはメールやメッセンジャー,電話回線,ファクス,流言,プレスリリース,新聞広告,その他諸々の現実世界のメディアを用いて,現実世界の中に放たれる。プレイヤー達はインターネット上に独自のコミュニティを作り出し,協力してその謎に取り組むことになる。この点も,インターネットを利用した ARG ― 「仮想現実ゲーム」の特徴であると言える。


上の文章を読んで 遊演体がやっていたPBMを連想するひとは...少ないだろうな.

ネットゲーム98『星空までは何マイル?』にご参加いただきまして、ありがとうございます。
1988年に遊演体が設立され、史上最初の「ネットゲーム」が立ち上がりました。
 開始当初、「パソコン通信のゲームですか?」「郵便なのになんで“ネット”なの?」といった質問を受けることがありました。その後〈メイルゲーム〉というジャンルが認知されるようになり、その嚆矢と位置づけられ誇らしくもあり、正直なところ「ちょっと違うんだけど」とも感じておりました。
 ネットゲームの基幹コンセプトは遊演体設立者である門倉直人により提示されました。“ネット”とは通信的にオンラインされていることではなく、プレイヤー間に発生するあらゆる意味でのネットワークの成立を意図して名づけられたものでした。郵便は誰もが手軽に安価に利用できる通信手段として選択されたに過ぎません。技術的に重要なのは通信装置より低価格レーザープリンタや簡易DTPの登場でした。
 基幹コンセプトに照らせば、ネットゲームの本質は技術的背景より以上にプライベートイベントや交流誌にこそあることがおわかりいただけると思います。その意味では会員のみなさまの活動こそがネットゲームを「真の“ネット”ゲーム」たるものに創りあげてきたのだと、あらためて思いいたります。みなさまのご協力に感謝いたします。

遊演体ネットゲームのスレ 3
http://game6.2ch.net/test/read.cgi/cgame/1069524389/-100


あの時代は全て紙ベースだったが,こういう仮想現実ゲームはインターネット上に移行したおかげでよりリアルでインタラクティブなものになった.仮想現実ゲームが構成する世界は確実にこちらがわに近づきつつある.いや我々の方もあちら側に近づきつつあるのか.今時「現実と非現実の境界」とかいうとバカにされるかもしれないが,まさにその問題が現実のものになりつつあるらしい.

そういえば電車男というのもあったが,あれも仮想現実ゲームだわな.後,終了したネタだが「かざきり羽」事件なんてのも仮想現実ゲームなのだろうか?(当人達の意図はともかく行われたことは仮想現実ゲームそのものだと思う)テキストベースとはいえ実は日本の方が一歩先を行っているのか?

追記

今だとPBMはPBeM(Play By e-mail)になっているのか.一応わかんない人のために説明しておくとPBM/PBeMというのはメールベースのRPGなのだ.いわゆるTabletalk RPGではGMがプレイヤーの目の前にいて直接やりとりをするのだが,PBM/PBeMではメールでやりとりをするのですね.基本的にはプレイヤーが自分のキャラクターが何をするかをメールでGMに送り,GMの方からはそれに対してお返事が返ってくる.今キャラクターと書いたけど,PBM/PBeMは普通のRPGと同じでプレイヤーじゃなくてキャラクターが架空の世界で活躍するのだ.ところが上で述べられているARGではプレイヤー=キャラクターであるし,ゲーム世界と現実世界の境界も酷く曖昧な状態に保たれている.
ところで協力してその謎に取り組むことになるとあるが,この手のゲームでプレイヤーが競争関係になったり敵対関係になったらどうなるんだ?この手の世界からはネトゲも含めて足洗っちゃたからなあ.PBeMネトゲではプレイヤーがリアルに敵対する状況って起きてるのかしら?

追記

PBC(Play by Chat)というのもあるそうな.

追記
コミックブレイド最新号、アリア。本物と偽物の話。そう言えばネオベネチアも仮想現実ゲームみたいなものか。かなりきつい皮肉を追記するつもりだったが中止。やっぱり灯里ちゃんには勝てんな。まあ世の中すでに嘘だらけだからこの上仮想現実ゲームが氾濫したところで何かが変わるわけでなしって、これも皮肉か。
追記
ジジェク読み始め。ひどい。ブッシュのやってることって立派な仮想現実ゲームじゃないか。もうとっくの昔にゲームオーバーしてたのね。

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