J2第8節 草津0-0仙台

仙台の問題点は明らかだ。
FWとボランチの間に人がいない。
今季、ブラジルから監督歴20年のベテラン、ジョエルサンタナ氏を指揮官として迎え入れたベガルタ仙台は、監督の意向により4-3-3のシステムを採用している。4-3-3自体はそう珍しいものではないが、仙台の場合、真ん中の3人が全てボランチだというところに特徴がある。
J1では甲府FC東京が4-3-3を採用しているがここまで極端ではない。甲府は1ボランチ2ウィングの4-1-2-3だし、FC東京もしつこいマンマークですっかりお馴染みになった伊野波が1ボランチで、3トップの真ん中ルーカスも下がり気味の位置に来るから、中盤が菱形の4-4-2に見えないこともない。
だが仙台は本当に4-3-3なのだ。細かく言えば4-3-0-3、攻撃型ミッドフィルダーのポジションに入るプレイヤーがいない。日本人が大好きな中盤というものが事実上存在しない。そのため敵に中盤を無抵抗で明け渡し、10人のフィールドプレイヤーは前3人のブラジリアントリオと、残り7人のボランチ+4バックへとあっさり分断されてしまう。この前後分断サッカーは見ていてイラつく。
僕の好きなサッカーは高い位置からプレスをかけてボールを奪い速攻で攻め込むヨーロピアンタイプだなあと再確認させられた。My神様オシムによると守備というのはセンターラインのあちら側でプレスをかけてやるものだそうだが、今の仙台は守備陣はセンターラインのこちら側でゆったりと構えている。こんな低い位置でボールを奪えても速攻には繋がらない。ボールを前に出そうにも前にいるのは3人のブラジリアンだけで、敵の中盤の向こうでDFラインと張り合っている最中だ。彼らに出すパスは長く厳しいものになり、ボールが受け手に渡っても、最初から敵の中盤とDFにサンドイッチされているのですぐに囲まれてしまう。
そんな不利な状況にいるのにちゃんとボールをもらえて攻めのカタチが出来るのがうちのブラジリアントリオの恐ろしいところで、この日は後ろの選手達も積極的に攻撃参加したから仙台は草津のゴール前で多くの決定機を作り出せていた。
でも決定機の質という点では不満の残るものが多かった。後ろから押し上げてくるとはいえ、ボランチサイドバックの位置から上がってくるからどうしてもフォローが遅れ、その間に守備を固められてしまう。確かに打ったシュートの数は24本と多かったが、シュートコースが限定されているものが多く、草津のキーパーには処理しやすかったようだ。それでも3本は完全に崩して絶対に入ったと遠目からは見えたが、結局バーやキーパーに阻まれた。
確かに勝てた試合ではあった。でも運が良ければの限定付きだ。草津の植木監督の術中にはまった部分も多い。前半仙台は風上のコートを押しつけられた。先制点を取るには絶好のチャンスに見えたが、立ち上がりは雨に濡れた芝に悩まされ長いパスやクロスが合わなかった。芝に慣れた頃にはもう後半で仙台は風下の不利な位置に廻っていた。
今のサッカーをやっていては下位は圧倒出来ても取りこぼすだろうし、上位相手にはさらに厳しい。昇格するには第1クルーで勝ち点20以上は絶対必要だ。7試合消化して勝ち点13、残り5試合で勝ち点7、出来れば10は欲しい計算だが、対戦相手は横浜FCヴェルディ、山形、水戸、札幌と厳しい。いや山形はいま最下位だけど仙台相手には燃えるのよ、あいつらは。なぜか財前もいるしなあ、orz。