時代屋に行ってみた


金曜日の記事で書いた歴史時代専門書店、時代屋にいってみました。

場所

地下鉄都営新宿線小川町駅で下車。小川町交差点方面の改札を出てB7出口へ。地上に出たら反転して角を左に曲がり、靖国通りを神保町方面に歩いてすぐ。東京の地下鉄の駅はどこもそうだが、ここも間違った出口から間違った方向に歩くと迷子になるので注意。

店構え

時代屋=時代小説専門』しかも神田というから江戸情緒溢れる店構えを勝手にイメージしていたが、実物は京風ラーメン屋のような佇まい。藤沢周平池波正太郎がさよならしていくが、山本一力ワールドならなんとか許容できる範囲?*1。幟の色や看板は小豆色じゃなくて紺にして欲しかったなあ。

一階

店の間口は三軒、奥行きが結構あり、いわゆる鰻の寝床型の店舗。入ってすぐのところが雑誌売り場、左側の壁は書籍やコミックのベストセラー売り場。一応ここまでは街中の普通の書店。でも右側の壁には歴史小説、時代小説ばかりの文庫本がぎっしり詰まった棚がずっと奥まで並ぶ。出版社別ではなく著者別にまとめてあって、司馬遼太郎藤沢周平のところをざっとみたが大体揃っているようだ、さすがに専門店と名乗るからには欠品は許されないのか。他の作家のも有名無名を問わず、几帳面といいたくなるくらいに揃っている。
店の中央左側にレジ。店員さんはこだわりの作務衣姿。レジの向こう側には単行本の売り場があって、普通の書店では置いてない本も結構ある模様。さらに左手、奥に進んだところは江戸情緒がテーマの本と写楽の浮世絵が目立つグッズ売り場。江戸をイメージしたディスプレイなのかもしれないが、でも隅っこの方に金髪のお姉さんのトランプや、着物姿とはいえアニメ絵の女の子がカバーを彩るDVDやPCゲームが置いてあるのはなぜだろう。ちょっと怪しい土産物屋の雰囲気も漂う。
僕はよい子なので、こんな悪所からは速やかに離脱。店の奥を右に進むとPS2とかのゲームが置いている。「信長の野望」や「戦国夢想」といったついうっかりブログに書いてもあやしいリファに悩まされないタイトルのゲームばかりで一安心。さらに右に進んだところはコミック売り場。「はいからさんが通る」や「バガボンド」や横山光輝など歴史物時代物のコミックが勢揃いだが、売り場が意外とこぢんまりとしていてちょっと驚く。歴史や時代もののコミックって案外少ないのね。

二階

二階に上る階段の踊り場には百五十万の値札がついた鎧兜が置いてある。壁にはこちらも値札付きの浮世絵。どちらも売り物というよりは値札付きのインテリアといった感じ。
二階にあがったところはCD/DVD売り場。商品は少ない。鬼平のDVD-BOXもあるけど洒落たガラスケースの中に入っているからこれも飾りかな。CD売り場の隣はNHK大河ドラマの本棚。「視聴料はちゃんと払いましょう」という小さな横断幕が苦笑を誘う。
右手奥は世界史や戦記、日本の近現代史のコーナー。この本屋でケルト、ゲルマン、アーサー王といった単語に出くわすとは思わなかった。原書房のフェチ全書シリーズもあり興味深く、最初はここは目利きが揃えたのかと思ったが、タカ派文化人と不破哲三の本が呉越同舟するなど手当たり次第の感あり。本格的な学術書は少なく概ね一般書かマニアックレベル。
2階中央は右側が日本史のコーナー、卑弥呼から戦国幕末まで揃えた上、歴史雑誌のバックナンバーまで詰め込んだ本棚はかなり窮屈そうだ。中央はこれまたグッズ売り場。幕末もの(?)のフィギィアが目立つ。左の壁は落語歌舞伎本や歴史紀行本の本棚。ここは旅行や観劇、寄席見物の下調べをするには有用かもしれない。

茶屋

二階の前の方は喫茶スペース。中央がテーブル席、壁が三方ぐるりとカウンター席という構成。テーブル席はともかくカウンター席の椅子はラーメン屋によくある回転式の丸椅子で座っても落ち着けない。
メニューは茶菓子とお茶が400-600円。玉露800円。コーヒーなど4-500円。ビールとつまみで800円。ちょっと高いが街中の喫茶店でもチェーン店じゃないところは他もコーヒー一杯400円、ケーキ付きで600円Overだから妥当といえば妥当な金額かも。それにこの本屋の会員になると無料のお茶券が5枚もらえるから、実はこの茶屋、本当は金払ってお茶するところではないのかもしれない。
僕は当初、ぜんざいセットを頼むつもりだったけど、写真を見て3色餅セット600円に変更。きな粉、あんこ、磯辺焼きがお茶と一緒に出てきた。

感想

書店というよりはキャラクターショップ寄りの店ですね。アニメイトの時代版かな。アニメイトの小規模店で、ラノベは時代小説、コミックも時代物、その他の商品も歴史時代ものに置き換えてしまうとこんな感じの店になるかしら。
この手の店は結局リピーターが着かないと駄目だと思うけど、現状、歴史時代系はアニメ系と違い商品の幅が狭いから消費者としては専門店じゃなくても普通の書店で充分間に合っている。それに毎月これでもかと商品が出るわけでもないから、コミック専門店やアニメ系のようにどうしても巡回しなきゃいう動機も必然性も生まれにくい。
だから話の種に一回は行ってみるにはおもしろい店だけど、リピーターになるには、次に行った時に何か新しいものが出ているかなという期待が持てないと。でもそれって悪い言い方をすると歴史時代ものが搾取産業の仲間入りをするということでもあるわけで。