巨泉センセイの真意を脳内補完してみる

日経ビジネス EXPRESS
金持ち、勝ち組、インテリはテレビなんか見なくなった:http://nb.nikkeibp.co.jp/free/tvwars/interview/20060127005218.shtml

ビル・ゲイツもブッシュ家も、ニュースやスポーツ中継以外、テレビなんか見てませんよ。」だそうで、テレビが『24』第3シーズン再生機と化しているお方や、『ARIA THE ANIMATION』専用機と化しているワタクシメなども、この三つのカテゴリのいずれかに割り振られるのでアリマショウカというどうでもいい前フリはサテオキ、巨泉センセイの「編集技術の進歩が番組をつまらなくした」という発言は「自由自在に編集が出来るワープロのせいで日本の小説は駄目になった。みな原稿用紙に書くべし」とかいう言説と同類だと誤解されるかもしれない。
巨泉センセイが言わんとしている事を勝手に脳内補完してみると、30分のテレビ番組の収録をきっちり枠内に収めるには本来事前に膨大な準備が必要なのだが、好き勝手に編集できるようになったおかげでその辺で手が抜けるようになったので、テレビ局の連中は事前の努力をサボリ、タレントのアドリブまかせに頼るようになって、その結果テレビの質が低下したということなのだろう。
巨泉センセイは「ゲバゲバ90分」の頃の状況を引き合いに出して今の制作現場を叱りとばしている。昔はよかった式の発言に見えるが長年テレビ界に君臨し続けてきた巨泉センセイのことであるから、そのあたり実体験に裏打ちされた明確な実感があるのだろう。なにせ「ゲバゲバ90分」のころの制作現場はいまじゃ信じられないような凄まじいもので、「ゲバゲバ90分」のサントラ「ゲバゲバ90分!ミュージックファイル」のライナーノーツには、そのあたりのことが詳しく書かれている。あいにくこのCDは売り飛ばしてしまったので、その凄まじい内容をここで紹介出来ないのがとても残念である。もちろん今だってテレビの制作現場の凄まじさは地獄並なのだろうが、「ゲバゲバ90分」ほどの地獄はもはやコスト的にはペイしないに違いないのだ。