優しいBorg

textfile.orgでなかなか的確なツッコミがあった。
Accout Auto-Discoveryの仕様の件で、神崎さんがコメントを書いているのだが、これを評して曰く「神崎さんに考えさせるとは、ものすごいアウトソーシングだ
で、例によってふと思ったのだが、はてなってBorgに似ているのではないだろうか?
Borgっていうのは説明不要だと思うけど、一応書いておくと、StarTrekに出てくる異星人で機械と人間が融合した生命体だ。彼らには個人という概念はなく、ドローンと呼ばれる全ての個体は亜空間リンクで接続され、集合体としての自意識を持つ。Borg Qubeなる立方体の無愛想な戦艦に乗って宇宙のあちこちに現れ、あらゆる文明や技術を同化しようとする迷惑な連中である。
これが今回の一件とどう関わってくるかというと、naoyaさんのAccout Auto-Discoveryの仕様の件には神崎さんをはじめ、檜山さんやたださんといったエラい人達が意見を寄せている。これはとんでもなく凄い事なのだが、見方を変えれば神崎さんや檜山さんやたださんの知識や技術や経験をはてな同化していることになる。Borgの決めぜりふの一つはこうだ。「おまえたちの技術と文明は 我々に奉仕する」。そして神崎さんや檜山さんやたださんははてなに無料奉仕しているのである。
また、さっきも書いたようにBorgの各個体は個体は亜空間リンクで接続されネットワークを構成しているいる。このおかげでBorgの一個体が入手した情報は、全てのBorgに瞬時にして伝えられるのである。全てのBorgは情報を共有している。情報の共有という点でははてなも同じだ。これは近藤社長がCNetのBlogのエントリ「情報の私物化を禁止する 」に詳しく書いている。
もっともはてなはBorgと違い、人々の前に戦艦で現れ「抵抗は無意味だ。降伏しろ」と迫ったりしない。その代わりになるのがさまざまなはてなサービスである。はてなキーワードはてなアイデアはてなブックマークはてなマップ、我々はてなユーザーは毎日毎日これらのはてなサービスに自らの知識や技術や経験を自発的に奉仕しつづけている。そして昨日、はてな共同体によるはてなユーザーの同化は最終段階に入った。ユーザー参加型会議である。今まではてな共同体の中枢と末端のはてなドローンはWebという間接的なインターフェースを通してしか接続されていなかった。しかし遂にはてな共同体の中枢と末端はSkypeリンクにより直接接続されるようになったのである。いまのところSkypeリンクよる接続には様々な障害があるようだが、近い将来携帯型SkypePhoneが普及すれば、はてなユーザーがちょっとした空き時間にはてな共同体の中枢に接続してはてなアイデア会議に奉仕するという光景は日常的になるのではないだろうか。
もちろん全ての人々がはてなへの同化を望んでいるわけではない。一部でははてなの同化作用に対する警戒の声も上がっている。しかしほとんどのはてなユーザーにとってはてなへの同化という魅力に抗するのは無意味であろう。