はてなブックマークについてうだうだ書いてみる


URLの海に波が立つ。波はある一点を中心とする波紋を描いて広がっていく。我々はこの波のカタチを捉えようとして苦労している。ここまではいいよね。
波を捉える方法は二つある。ひとつは出来るだけ広い範囲をレーダーで監視し、各ポイントの海面の状態を観測してデータをコンピュータで解析することにより、波紋の中心点と広がっていく有様を捉えようとするやり方である。
もうひとつはもっと単純、海には暇人が手こぎボートやヨット、あるいはビーチクラフト機で大勢乗り出している。この人達は自分の監視範囲に高波を発見したら「ここのポイントに波ありと」本部に報告する。本部では同一ポイントでの波発見報告が3件入ったら、掲示板に「ポイントXに波あり」と張り出す。そして掲示板を見た暇人がさらに波の見物にやってくる。
どっちがクールかというともう断然後者の方である。前者はちょっとイケてないところがある。
まず。コンピューターはある中心点に対する言及群という形で波の軌跡を描き出す。だから中心点の座標がわからないと波の軌跡が見えない。そして中心点の座標を知る方法は二つしかない。一つは多くのサイトが言及することにより中心点が有名になること。そうなると中心点の座標がランキングに載る。
もうひとつはあらかじめ中心点の座標がわかっている場合。自分が知っている本のISBNなんかがそうだ。
ではとにかく面白い波が見たい場合はどうしたらいいんだろう。中心点がランキングに上がるほど有名ではないけど、とにかく未知のおもしろい何か。
それに僕が見たいのは中心点ではなく波の方である。いや世の中には話題の中心点を見に行きたいという人もいるかもしれないがここではそういう人の話はしない。
現実世界の波と違ってURL世界の波紋は速度も高さも均一には広がっていかない。アレを今すぐ知ったばかりという波もあれば、話題のアレをようやく見ましたという波もある。高さにしたところで中心点へのリンクを張っただけの低い波もあれば、それ自体が面白い内容を含んでいる高い波もある。そしてURL世界のおもしろいところはそういう高い波はそれ自体が新たな話題の中心点となり、そこからは波紋が広がっていくことだ。
ところがコンピューターは全ての波を一律に言及しましたという形で平等にしか判定してくれない。言及日記のタイトル、言及エントリのタイトルあるいは言及エントリ自体が機械的にずらずらっと並んでも億劫なだけである。本当は言及エントリの方もスコアリングして面白いのを2,3点に厳選してほしいのだが、機械のスコアリングはあてにならない。今のところ面白さは人間が目視で観測するしかない。
そういうわけでレーダーとコンピューターで全域監視して中心点をランキングするやり方はいまいちイケてないのである。
だからはてなブックマークの時代になったのである。ちなみにはてなブックマークで一番おもしろいのはやはり「注目のエントリー」である。ここで3 usersと出てくるあたりのURLが面白いのである。暇人はみんなそこを見に行く。これが7 usersあたりになると鈍重な感じがしてくる。「最近の人気エントリー」あたりに行ってしまうと「あのネタは上がっちゃのね」ということになって興味が失せる。
この3 usersという敷居値がいまのところで絶妙で、これが2 usersだとノイズが多くなるし、4 usersだと取りこぼしが多くなるだろう。もちろんこれは今のところの話で将来的には敷居値3ではうまくいかなくなるかもしれない。user数を敷居値にする仕組み自体が機能しなくなるかもしれない。でもそうなったらまたはてなのスタッフが天然の狂気の山脈に籠もって解決してくれるのだろう。
そういうわけで話題の波の波頭をWatchするにははてなブックマークが今一番ベターなツールなのです。

以上。