「エロイカより愛をこめて」の創りかた

「エロイカより愛をこめて」の創りかた

「エロイカより愛をこめて」の創りかた

エロイカより愛をこめて (31) (プリンセスコミックス)

エロイカより愛をこめて (31) (プリンセスコミックス)

エロイカより愛をこめて」は27年目だそうな。
青池保子がその舞台裏を語る本だが、ページが白い。
いや中身はちゃんと詰まっているのだが、喜びも悲しみも淡々と語られている。誇張したような表現はまったくなく、全てはストレートであるって、これじゃあカエサルが書いた文章みたいだなあ。とにかく登場人物はかなりエキセントリックだが作者は偉大なる普通人らしい。

一応ポイント

  • 登場人物の来歴、誕生秘話(でもファンで知らないひとはいないと思うのだが)
  • 制作プロセスの舞台裏。しかしビサンチン研究団の団長から直々に資料を送ってもらえるというのも人徳のなせる技だなあ。
  • 海外読者との交流。字がわからなくても絵を見ればわかるらしい。
  • 仕事場の状況と変遷。漫画家40年もやっているといろいろ変わってくる
  • 海外取材の現場。といってもよくある旅行記風のおちゃらけた話ではない。
  • ドイツ軍の発行する雑誌「Y.」に載った「エロイカより愛をこめて」の紹介記事とその反響。
  • お蔵出しで大島弓子との合作が収録

知られる秘話とか、漫画界の内幕暴露的なネタはすくない。帯にまどわされないように。