GPL V3

見直しがすすむGPL
http://japan.cnet.com/special/story/0,2000050158,20080206,00.htm

特許や思想的な話は他人に譲るとしてテクニカルな問題としてはWeb Seviceについての条項が気になる。

現状のGPLの問題点としてはWeb Seviceのようなソフトウェアの存在を考慮に入れていないことがある。
どういうことかというと

  1. GPLなコードを含むアプリケーションを配布した場合、アプリケーションを入手した利用者に対してはソースを開示する義務がある。
  2. GPLなコードを含むアプリケーションをWeb Seviceとして提供した場合には、利用者に対してはソースを開示する義務がない。利用者はバイナリなどの配布物を入手したわけではないから。

これはアンフェアではないかという議論がある。

――ここには、また、アプリケーション・サービス・プロバイダの問題があるわけです。これは、ひとびとの仕事を頒布はせずに使わせることを可能にするというもので、彼らには改変したソース・コードを公開する義務がないのです。私のGPLな仕事が、そんなやり方でも濫用されているのか確かめないといけないでしょうか?

RMS: そういったサーバは、ぼくたちのコミュニティでフェアにプレーをしていないと、ぼくも感じる。でも、この問題は解決が非常に困難だ。著作権をベースにしたライセンスで、そういうサーバに要求するのは難しい。そういうサーバは、プログラムを頒布しているわけではなくて、たんに動かしているだけ、というところが困難な点だ。だから、彼らのすることに影響するような著作権の下では、どんな制約をつけることも難しい。

間接的だが、うまく機能するであろう方法を、ぼくは最近考え出した。弁護士にそれが本当に使えるものかをよく理解してくれるまではそれはお話できないのだけれど。

GPL V3にはこの「ぼくは最近考え出した」アイデアが盛り込まれるかもしれない。
実はすでにweb servicesがらみでGNU GPL version 3に取り入れられるのではないかと思われる条項を持つライセンスがある。AFFERO GENERAL PUBLIC LICENSEである。

AFFERO GENERAL PUBLIC LICENSE
http://www.affero.org/oagpl.html

GPLにweb services用の条項を組み込んだライセンスで、現状ではGPL-Incompatible, Free Software Licensesに分類されているが、GNUによるAFFERO GENERAL PUBLIC LICENSEの説明に新しい条項 2(d) では、ウェブサービスやコンピュータネットワークを介したアプリケーションプログラムの頒布を保護していますが、この条項 2(d) のために、Affero GPL は GNU GPL バージョン 2 と矛盾します。しかし、この条項は私たち FSF が GNU GPL バージョン 3 を Affero GPL の上位互換にできるよう書かれていますので。私たちは Affero に GNU GPL をこのような形で改変する許可を与えました。などと書かれているのだ。

ただこの辺の話は2002年あたりに少し盛り上がったきりでその後何の音沙汰もないようだ。
そういうわけで取り入れられないかもしれない。
とはいえ

せいぜい現在の条項の明確化が行われるのがせいぜいだと思う。

じゃない話を誰か1人くらい書いてみてもいいんじゃないかと思ったので書いてみました。