馬鹿には見えないウェブログ

馬鹿には見えないウェブログというのを思いついた.僕のオリジナルのアイディアではないし,僕は見たことはないが1000回くらいは語られたネタであろう.ひょっとしたらすでに実行されているのかもしれない.
このウェブログはいわゆる3種の神器は揃えていない.それどころかコメント機能はおろかパーマネントリンクすらない.当然Blogtoolも使わない.死守しているのはウェブログのもっともプリミティブな定義,特定のアイデンティティを持った人間が書いた記事のアーカイブという特質だけである.ついでに言えば特定のホスト上にすら存在しないのだ.
どこに存在するのかというと,ネット上の至る所に分散して存在する.このウェブログの記事は2chなどのBBSのスレに誤爆という形で投稿されたり,有名または無名なBlogのコメント欄に投稿されたりする.場所はもちろん日本国内とは限らない.地球の裏側あたりの休眠状態のBBSや,Blogのコメント欄に投稿されるのかもしれない.このblogの性格からして投稿された瞬間にキターなんて騒がれるのはまずいので,目立たないところに密かに投稿されるのがよいであろう.そういう形でネット上の至る所に分散して存在する.生残性のことを考えれば,一つの記事が複数の場所にマルチポストされるのがよろしかろう.
ではどうやってこのネット上のあちこちにばらまかれた記事をウェブログ,特定のアイデンティティを持った人間が書いた記事のアーカイブに仕立て上げるのかというと,検索エンジンを使う.このウェブログの記事には特定のキーワードが必ず含まれていることにする.ひとつではまずいので相互には無関係な複数のキーワードがよい.最低5つくらいは必要だろうか.それらのキーワードを検索エンジンに叩き込んでやると,検索エンジンは世界中のWebページからキーワードを含むページを拾い上げて検索結果としてまとめてくれる.相互には無関係なキーワードなので,ピックアップされるのはこのウェブログの記事だけのはずだ.すなわちアーカイブの出来あがりである.これだけでは騙りが出る可能性があるので記事には電子署名でもしておけば完璧であろう.
要はデモステネスである.といっても死者の代弁者〈上〉を読んだのは10年以上も前なので,あの小説のデモステネスがどうやっていたのかは完全に忘れてしまっているのだが.
なんでこんなことを考えたかというと,最近流行の察して下さいという奴ですね(笑)こういう形で存在するウェブログなら「おたくの記事は削除されたほうがよろしかろう」なんて脅しようがない.そもそもそういうメッセージ,どこに送るんだよ.Google村八分だって,「特定のキーワードを含む記事を全部削除してください」なんて依頼できるわけがなかろう.最悪そうされたところでキーワードの組み合わせを変えればいいだけのことだ.
というわけで,誰とはいいませんが,いざとなったらそういう手段もあるということで,励ましのメッセージを送るのであった

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