オシムの言葉 フィールドの向こうに人生が見える

千葉オシム監督の評伝発売へ
http://www.nikkansports.com/ns/soccer/p-sc-tp0-051107-0010.html

先日ナビスコカップで優勝したジェフ・ユナイティッド・千葉を率いるイビチャ・オシム監督の半生記、「オシムの言葉 フィールドの向こうに人生が見える」が12月5日、集英社より発売。
著者は「誇り ドラガン・ストイコビッチの軌跡 (集英社文庫)」、「終わらぬ「民族浄化」 セルビア・モンテネグロ (集英社新書)」の木村元彦氏。期待度大である。
たぶん売れるだろう。
いやジェフサポはJリーグでダントツに数が少ないからそんな本売れないって?そんなことはない。
いやねえ、確かにオシム監督も自嘲気味に語るとおり、ジェフサポというのは7000人くらいしかいないかもしれない。でもジェフサポ以外にもオシム監督のファンという人達がいっぱいいる。その数推定700万人くらい……というのは大げさだが、

ジェフサポの数<<越えられない壁<<オシムファンの数

くらいいるのは間違いない。
そうじゃなきゃ、ジェフ千葉ガンバ大阪という動員力が見込めないカードで国立競技場が埋まるものか。
11月5日、ナビスコカップの決勝会場となった国立競技場には4万5千の観客が詰めかけた。オシム監督は試合後、記者会見で普段両チーム合わせて2万くらいしか観客が入らないのに、今日は国立競技場が満員になった。両チームのサポーター以外にも、サッカーを好きなファンがたくさん集まってくれたということだ、と語った。しかしこれは間違いである。
あの日国立に集まった観客4万5千の内訳はこうだ。

  • ジェフサポ 10000人。このうち半分は隠れジェフサポで普段はロッテファンのふりをしている
  • ガンバサポ 10000人。全員大阪から来たらしい。
  • 残りの25000人=オシムファン

そう、実は両チームのサポを合わせた数よりもオシムファンの方がずっと多かったのだ。その証拠に試合終了後、表彰式が終わってもゴール裏のジェフサポ、ガンバサポはともかく、それ以外のニュートラルな一般観客も誰一人帰らなかったではないか。
あれはみんな待っていたのである。何を待っていたかというと、みんな我らがオシム監督の胴上げを待っていたのである。あの体重105キロの巨体が宙に舞う光景が見たかったのだ。
ところがオシム監督、なんと胴上げから逃げてしまったのだ。自分は重いから胴上げすると選手が怪我をするというのが逃げた口実である。そのため国立のバックスタンド自由席を埋めつくした25000人のオシムファンが待ち望んだオシム監督の胴上げは夢に終わった。
あの日、あの場所にいたオシムファンの一人としては実に残念であったと言わざるをえない。
とはいえこうして周囲のミーハーな期待を巧みにかわすあたりもイビチャ・オシム氏の魅力ではある。