オフライン募金VSオンライン募金

募金苦境、逮捕事件の余波 金額減り、「偽もの」非難も 「信頼失墜怖い」
http://www.sankei.co.jp/news/evening/03nat001.htm

例の偽募金のおかげでまっとうな街頭募金が苦戦しているというお話。

募金活動の信頼性を確保するため横断幕に連絡先の電話番号を大きく印刷するなどの対策を施すとのこと。
今回の偽物連中はたまたま連絡先などを一切明示していなかったのでそういう処置をとるらしいのですが、電話番号が印刷されているからといって無条件に信用できるかというとどうでしょうか。
たぶんこんなプロトコルを踏まないと街頭募金の信頼性は確保できないと思います。

  1. 街頭募金に出会ったらリーダー役の人から募金活動の趣旨について聞く
  2. 連絡先の番号に携帯で電話をかけ話の内容を確認する。また便乗の可能性を排除するために目の前で募金活動を行っている人達が本物である事を確認する
  3. 納得がいったら募金する
  4. メモ帳を取り出して、日時、場所、金額、団体名、連絡先を書き留める
  5. 後日、再度連絡して会計報告の送付を依頼する
  6. 報告書を熟読する

でも、みなさん、ここまで手間をかけて街頭募金をしたいですか?
現実的には街頭募金は金を捨てたと思ってやるか、あるいは一切街頭では募金をしないかのどちらかになるでしょう。

信頼性の確保という点からいえば、街頭募金よりネット募金の方がずっと容易です。

  1. ネット募金のサイトを見付けたらコンテンツを一通り読む
  2. ググってこのネット募金についての評判を調べる
  3. 疑問点があったらメールなどで募金団体に問い合わせる
  4. 納得がいったら募金する
  5. Blogに募金しましたと書いておく。
  6. 必要ならアンテナやRSSリーダーにそのサイトを登録しておく
  7. 後日、募金したサイトを訪問して会計報告があれば読む。疑問があれば問い合わせ
  8. ググってまたこのネット募金についての評判を調べる

ちょっと大変そうには見えますが手間としては通販で買いたい物があるのでネットで評判を調べて…というのと大して変わりません。街頭募金と違い、募金したい相手とオフラインかつリアルタイムでやりとりしないでも済むというのも大きな利点です。
よくネットはAnonymousなところだと言われますがそんなことはありません。本当にAnonymousなのはオフラインのしかも行きずりの人間です。
そして困ったことにに街頭募金というのはその「オフライン」かつ「行きずり」という条件にピタリと当てはまってしまうわけです。
なにせオフラインにはネットと違いPermalinkもない。googleで「この人だれ?」とやるわけにもいかない。ログもない。こんな環境で信頼性を担保するのは容易ではありません。
もちろんこれは今はこうだという話で将来的には変わるかもしれません。
オフラインにもPermalinkが張られ人の顔もネットで検索できるようになり、オフラインで起きる出来事にもログが取れるようになれば話は変わってきます。街頭募金の信頼性の確保もネット募金と同じくらい容易になるでしょう。
でもそんな世界に住みたいというとどうですかね?こんな世界は明らかに超監視社会です。選択の余地があるのなら住みたくないです。
しかし彼、THE PRISONERの主人公、No6には選択の余地はなかったですね。彼は監視カメラだらけの「村」に無理矢理連れてこられたわけですから。


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我々には選択の余地はあるのかな?