神南火

神南火 (ビッグコミックススペシャル)

神南火 (ビッグコミックススペシャル)

梅原克文の「カムナビ〈上〉 (角川ホラー文庫)」とはたぶん関係ない。こっちは読んだことないんで断言はできないが。
主人公の忌部神奈は女性史研究家、といえば聞こえがいいが、同時に温泉評論家、神木評論家、etc....
要するにフリーライターである。
で雑誌の干支にちなんだエッセイを書くというので日本のあちこちの古代の史跡を巡ると。
と書けば、いや書かないでも星野之宣ファンには自明なのだが、これはかつてコミック・トムに連載されていた「宗像教授伝奇考」の女性版なのである。
「宗像教授」の方も干支シリーズといって一年に一度、干支にちなんだエッセイを書くというので女性編集者に日本中を引きずり回されるという恒例行事があるのだが、「宗像教授」の連載終了後、この部分だけが独立して、ビック・コミックに読み切りの形で掲載されるようになったのが、「忌部神奈・女の神話シリーズ」ということらしい。でこの度、コミックスとして一冊にまとまったのがこの「神南火」である。
しかしなんで男、しかもスキンヘッドの親父が、ビック・コミックに移るとフリーライターの美女に変えられてしまうのかがわからない。ジャンルは違うが東野圭吾の「名探偵の掟 (講談社文庫)」にミステリー小説の探偵役は2時間ドラマになると若い女性に変えられてしまうというネタがある。大衆受けを狙うにはしょうがないらしい。温泉にも入らないといけないしね。
「忌部神奈・女の神話シリーズ」にも主人公が温泉に入るシーンがあるのでこの法則が適用されたのかもしれない。でもそうなると一つ謎が残る。「宗像教授」は2時間ドラマになっているのだが(TBS 月曜ドラマシリーズ)、この時は高橋英樹が宗像教授を演じているのだ。僕は見ていないのだけど主人公が女装したという話は聞かない。尻は出したらしいが。
ところで書くのを忘れていたネタだが、「宗像教授」は先月からビック・コミック誌で連載が始まっている。「宗像教授異考録」である。長年のファンとしては諸手を歓迎したいが、釈然としないところもあるのだ。
まず掲載誌がメジャー過ぎるということ。ゴルゴ13と一緒なのだよ。あと隔週ペースであるということ。星野之宣は月刊ベースで書いてきた人だし、隔週なので一つの話が前後編に分かれてしまうのだ。第一話「巫女の血脈」は読んだが、前後編に分かれるという構成の悪さが微妙な影を落としているように思える。
かといって、ビック・コミック以外のどの雑誌がいいかというとこれが思いつかないのだ。今の「アフタヌーン」は違うと思うし、たぶん「もっけ(勿怪) 1 アフタヌーンKC」とバッティングする。かといって他との雑誌というと、同じコミック・トムの連載、「風雲児たち (1) (SPコミックス)」が復活している「」ですか?ここも違うよな。
まあとにかくファンとしては無事に連載が継続されることを願わずにはいられない。できれば月イチ連載かなんかでじっくり書いて欲しいのだが。