川崎の成人式のネタ

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040113-00000056-mai-soci

世の中のへそ曲がりな人たちは「よく言った」「全面的に支持する」とか喜んでいるみたいだが,僕はへそ曲がりの2乗なので違う意見を書く.
先日,僕が好きな,とは言ってもここ数年御無沙汰だった作家の本を読んであきれた.まあなんというか最近はやりの古くからの美しい日本の文化を大切にしましょうみたいな本で内容は悲しいことに空疎だった.著者の個人的な体験に基づく文章を除けば類似本と文章を入れ替えても何も変わらないだろう.
で,その方が重視していることの一つが社会の秩序で,早い話が長幼の序ですな.
ちなみにその作家は全共闘世代である.
「はあ」としかいいようがない.
世代論でくくるのはあれだが,この世代は自分が若い頃,つまり長幼の幼だったころは,全共闘運動とかで社会秩序クソ食らえとかやって,目上の教授とかを団交とか吊るし上げていたくせに,自分が長幼の長になった途端,世の中には秩序が必要です,目上の人には敬意を払いましょう,ですか.
ふざけるなよ.
この世代は周知のように上下の世代から蛇蠍のように嫌われている.僕はいままでこの世代にそう悪感情は持っていなかったが,悪感情を抱いてもいいかなという気分になった.
そういうわけで,喜んでいる連中は浅すぎ,35年は意見を保留すべきだろう.この「新成人」連中が成人式の壇上にお偉いさんとして上がるようになってからでも是非を判断するのは遅くはない.僕はかろうじてそのころまで生きていられそうだ.ひとつ老後の楽しみが出来た.
ところでその作家だが,何よりも悲しかったのは著者近影だ.僕の記憶に在ったその作家の写真は髪の毛ボサボサで,くわえタバコで,いかにも小説家という雰囲気だったが,いまの著者近影は,頭は白くなったがきれいに整えられ,服は背広で立派なネクタイ締めて,見た目大学の先生である.文化人ですな.雰囲気は悪い意味で保守的である.
残念だが彼は好きな作家リストから削除した.やはり好きな作家は故人に限るようだ.


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