ノスタルジー化するプロ野球

たぶん第2次長嶋政権あたりからの流れなのだろうが,プロ野球のノスタルジー化の現象はここへ来て臨界点を超えたようだ

落合竜ユニホーム変更…早くも“オレ流”星野色一掃(サンケイスポーツ)

「監督からユニホームを変えたいという希望は聞いています。変更しますよ。本人は『昔のイメージに戻したい』と言っていましたね」

別にユニホームを変えること自体はよい.しかしなぜ昔のなのだろう?

はっきり言って今のプロ野球は未来を向いていない.本来プロ野球は選手が主役であり,監督が主役ではない.ところが星野阪神などが典型なのだが,選手より監督の方が主役である.関西以外の場所で百人くらいに「阪神の監督はだれか」と質問すれば99人くらいは星野と答えるであろう.しかし「阪神の選手を3人あげてください」と質問すれば,半分の人間は答えられないだろう.これが前回の優勝時なら90人くらいは「バース,掛布,岡田」と答えただろう.そして吉田監督の名前を言える人間が半分くらいだっただろう.V9時代の巨人だって「長嶋,王」ありきの川上だったはずだ.

どっかのTV局でやってみてくんないかな.こういうアンケート

選手ではなく監督が大きく取り上げられる理由は,現在現役のプロ野球選手のネームバリュー,商品価値がすでに引退した人間より大幅に劣るからであろう.そうでなければ「星野阪神」,「落合中日」などという言葉は出てこない.もはや選手ではなく,監督,社長,オーナーといった人間がプロ野球球団の顔となってしまったのだ.ある球団を代表する存在が四番打者でもエースでもないというのは明らかにおかしいのだが,どうも当人たちあるいは周辺のメディアを含めて異常とは思わないようだし,その傾向をますます加速させているようだ.

このような世界に未来はない