柳沢、千葉、鹿島、その他モロモロ

柳沢骨折…W杯微妙も奇跡起こす
http://sports.yahoo.co.jp/hl?c=jleague&a=20060327-00000002-dal-spo

この柳沢が負傷退場した千葉戦、フクアリで生観戦した。
試合開始直後の柳沢は、千葉のディフェンスラインをスルスルと泳ぎ廻っていた。つかみ所を相手に与えないその軽快な動きを見て、「ウナギサワ」なんてくだらない駄洒落を思いついたり、「柳沢はやはりスペシャルな選手であることを再確認させられた」なんて評論家風のフレーズを呟いたりしたのだが、時間が経過するうちに柳沢は消えてしまった。たまにピカッと光るプレイをして「おおあんなところに柳沢がいた」と驚かしてはくれたけど。
これは他の鹿島の選手も同じで、小笠原や本山もたまに光るプレーはするのだけど、いまいち調子がでない鹿島というチームに埋没している時間の方が長かった。それでも最後にはアレックス・ミネイロという個の輝きによって千葉を撃沈してしまったのだが。
この試合、西部謙司氏はどちらが勝ってもおかしくない白熱した好試合だったと書いているけど僕にとっては寒い試合だった。19:00からのナイターでしかも僕が陣取ったフクアリの2階の上の方は風が吹きこんできて本当に寒かったという事情はあるのだけど、そうした体感的要素は脇に置いてみても寒い試合だった。
試合は概ね千葉が支配していたが、クロスの精度が甘い上にシュートが打てても枠に飛ばない。鹿島の方はシュートの数こそ千葉に劣ったがこちらは枠に飛ぶ。でも千葉のGK立石が鉄壁で全部止める。少なくとも3点は止めたはずだ。そんな点が入る気配がしない展開だったから、後半が始まる頃には「スコアレスドロー。運がいい方が一点取って勝つパターン」と見切れてしまい、しかも本当にそうなったから白けてしまった。
僕には千葉はかなり調子が悪いと見えたのだけど監督や選手、あるいは千葉Watcherな人達にとっては手応えのあった試合らしい。今季一番の内容と書いたライターもいる。今季といってもまだ数試合しか消化していないし、千葉の開幕戦はアウエィ大宮戦で惨敗するという散々な代物だったのだが。
一方の鹿島、こっちもピリッとしない。開幕戦こそ大勝したものあれは柳沢が当たりまくったおかげだ。この千葉戦でも試合を決めたのは個の力だ。
ブラジル路線らしいといえばそれまでだが、僕は鹿島の新監督の掲げる「ポゼッション・サッカー」ってやつを疑問視している。今節は勝ったとはいえ、やはり「ポゼッション・サッカー」を看板にするもう1人のブラジル人監督の指揮下に入ったFC東京も開幕から苦戦している。これにもう1人のあのブラジル人監督のことを考えると、「ポゼッション・サッカー」ってやつは本当は無策の代名詞ではないかと思えてくる。
そんなわけで僕にとってはフクアリ初見参となったこの試合、収穫はあまりなかった。フクアリ自体もスタジアム自体はとても素晴らしいのだが、周りが全て工場なのだ。それもトタンの壁に錆が浮いていたり、煙突が紅白模様だったりするから工場としても気合いが入っている。前の市原臨海スタジアムも割と気合いが入った場所にはあったが、運動公園の真ん中にあったからスタジアムのある風景はまわりの湾岸的な状況からは遮断されていた。でもフクアリのある風景には市街地を一歩出るとすぐに殺風景になるという郊外的な現実が剥き出しになっている。
そんな殺風景で寒い世界で唯一の救いになったのがサマナラのカレーである。市原名物のこのスリランカ・カレーは一度は食べてみたいと思っていたスタジアム名物の筆頭なのだが、なかなか食べる機会に恵まれず、今回ようやく念願を果たした。ベジタブル・カレーと焼きたてナンのセットで700円。
いやこれが本当においしい。とにかくナンが凄い。一口噛むと口の中に甘みが広がる。今まで食ってきたナンは何だったのだとシャレを言いたくなるくらいおいしい。カレーも辛いはずなのだが酸味がある爽やかな辛さで口の中がやけどしない。このカレーとナンを食し終わった瞬間、今回のプチ遠征の目的は90%達成されたなあという実感が湧いた。
ああ、そうだ。もう一つ収穫があった。寒かったせいか風邪をひいてしまい翌日寝込んだ(爆)。