妖怪ハンター、天の巻、地の巻
- 作者: 諸星大二郎
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2005/11/18
- メディア: 文庫
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ついに妖怪ハンターシリーズが漫画文庫本化。
妖怪ハンターシリーズは単行本が入手難のものが多いし、この文庫版妖怪ハンターシリーズには、かつてジャンプコミックス版には収録されたものの、その後の単行本シリーズにはなぜか再録されなかったという禁断のエピソード、「死人帰り」も入っているから、これはもう諸星ファン必携である。
一応諸星初心者の人のためにフォローしておくと、「天の巻」は諸星流の神話解釈をじっくり読ませるという話ですので、まず「地の巻」から読んだ方がいいです。
また「地の巻」から読む場合でもいきなり最初の「黒の探求者」から読まずに、197頁の「蟻地獄」から読みましょう。地の巻に収められているのは大半が諸星大二郎の初期短編なので、諸星初心者がいきなり読むのはちょっとつらいかもしれません。でも映画「奇談」原作の「生命の木」はいきなり読んでももいいかも
それにしても諸星版封印作品、「死人帰り」。封印した理由はわかる。古典的な侵略テーマだし、ご都合主義的なところが多いし、稗田先生は本当に妖怪ハンターやってるし。
でもやはりこれ、傑作だと思う。ディックの短編によく出てくる「人間そっくりの連中がどこかからやってくる」という話に通ずるものがある。僕なんか以下の、何かのテンプレに出来そうなセリフでご飯三杯はいけてしまう。
彼らは上手く人間に化けているつもりでいるが、誰もいないところへ行くと見ろ!
めいめいが前の姿に近い形で歩こうとする。あれが本性だ!
妖怪ハンター地の巻、300頁