人生のあまりにも簡潔すぎる要約

大英博物館は一七五三年の創設から五九年の開館にいたるまで、約六年の歳月をついやしたことになるが、正式の開館以前にその館内を見学することができた、たまたま僥倖にめぐまれた女性がいた。その幸運な女性はキャサリン・タルボット女史で、彼女は歴史に名前が残るほどの仕事をした人ではないが、一七五六年八月、内部の人物の紹介で見学に訪れた。
彼女は『日記』を残した事が唯一の仕事で、このように伝えている


物語 大英博物館―二五〇年の軌跡 (中公新書)」 57頁