雨の日の楽しみ


通勤途中、ある坂道で小学生が3人たむろしているのを見かけた。雨の中、傘をさした彼らは下を向いて熱心に何かを観察している様子である。坂道の歩道と車道の間には雨水の流れが出来ていた。彼らはそこに関心があるらしい。
やがて小さな歓声が上がった。茶色い木の葉が歩道脇の排水溝に吸い込まれていくところだった。
子供は変わらないなあと思った。
僕も子供の頃はあんな風にちょろちょろ流れる水を見て遊んでいたものである。端から見ればちっぽけな流水かもしれないが本人にとっては谷間を流れる急流のつもりだった。そこに流れる小さなゴミを筏や小舟に見立ててちゃちなストーリーを作って遊んでいたのだ。そしてクライマックスは船の難破である。ゴミや木の葉は岩に砕かれ滝壺に呑まれて沈んで行くのだ。
子供の想像力は残酷である。
今も昔も。