性犯罪者から住人を守る――Google Mapとの連携サイトが登場

Google Mapに連携する勝手サイトが続々登場というお話。「自分が今いる地域の一番安いガソリンスタンドを知りたい」という話だけならいいのだけど。

Google Mapにシカゴ警察の犯罪統計データを連携させたエイドリアン・ホロバティ氏(24歳)のおかげで、オールバニ公園周辺で家探しをしている人たちは、4月19日から5月19日までに同地域で起きた性犯罪をすべて、1枚の地図でピンポイントで知ることができるようになっている。すべての犯罪現場が地図上に仮想プッシュピンでマークされているため、シカゴ市民は危険な駅や賭博場、路地を一目で知ることができる。

 Floridasexualpredators.comでは、有罪判決を受けた性犯罪者に関するデータがGoogle Mapと連携されており、このサイトにアクセスして、自分の住む地域の地図を呼び出し、プッシュピンをクリックすれば、すべての犯罪者の氏名、最新の住所、顔写真を確認できる。


Google Map=一望監視装置、Google Map勝手サイト=スマートモブスと考えると東浩紀先生の言っていることは的を射ているなあ。

この左下の象限にある「リトルブラザーによる監視」では、玄関などにカメラを設置して無線LANでPCに情報を送り、不審な動きがあったらすぐに携帯電話にメールを送るといったような商品が1万円代で販売されています。しかし、右下の象限は、実は強力な権力がなくても個々人が自律的に社会秩序を生み出すことのできる仕組みなのではないかと思います。ハワード・ラインゴールドの著書名でもある「スマートモブズ」というのは、賢い群衆という意味で、これまで愚かだと思われていた群衆がエンパワーされることを意味しています。

スマートモブズの本のなかに「一望監視施設か、強力増幅施設か?」という言葉があるのですが、私は「or」ではなく「and」だと思っています。一望監視施設 、まさにパノプティコン(注:ベンサムが考案した理想の監獄で、建物全体が上から見ると丸く見える状態になっていて牢屋は監視塔を中心に環状に配置されているという一望監視施設のこと)的な世界と、賢い群衆の2つの方向性が共存しているところが厄介なところでもあります。


以下自分でもよく分かっていないことをダラダラと書いてみるけど、従来スマートモブズ、智民でもなんでもいいけど、そういうものは個々の人々が人々同士、対等かつ平等に近い形で勝手に繋がってエンパワーされるというシナリオを想定していて、それが一望監視装置、代表例としては国家や企業と対立すると考えられている。
でも一望監視装置、面倒なのでビックブラザーと呼んでしまうと、実際に起きているのはビックブラザーが自分が持っている力を人々にサービスという形で提供してエンパワーする。そしてビックブラザーはエンパワーされた人々のハブとなる。そういう形でネット上での秩序の形成というのが出来上がっていくのではないかと思う。
すでにGoogleAmazonはある種の国家のようになりつつある。ここから追放されるとネットの世界では生きにくくなる。Googleについては既に話題だし、AmazonAmazon追放刑があるらしい(それでもみんなアマゾンが好き!),ちょっと違うけどGoogle村八分ってのもあるわね。
エンパワードされる事に慣れてしまった人々は結局はビックブラザーによる支配を受け入れてしまう。ビックブラザー様からのパワーの供給が絶たれたらもうネットでは生きていけない。だから「それでもみんなアマゾンが好き!」なのだ。