新興成金と老舗の看板

■短期集中連載■始動するレノボ・ジャパン
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2005/0523/lenovo05.htm

PCWacthの連載記事。
一通り読んだのだが「新興成金が老舗の看板を手に入れて商売を始めようとしている」という印象が拭いきれない。逆にそういう印象がますます強まった。
もちろんこのケースではIBMレノボに売りつけたわけで、レノボIBMの頬を札束で叩いたわけではないのだが。

気になったのは以下の点。

IBMブランドのPCは、もともと企業ユーザーへの導入比率が高い。メインフレーム、サーバー、ストレージ、ミドルウェアなどとともに、トータルソリューションを構成するひとつの製品として、クライアントPCが位置づけられ、サービス/サポート契約もそのなかで行なわれる。

だが、レノボ・ジャパンへのPC事業の移管に伴い、クライアントPCのサポートだけが、IBMの外に切り出される可能性があるのではないか、といった強い懸念の声がエンドユーザーの間にはあった。もし、クライアントPCのサービス/サポート体制が別のメニュー、あるいはIBM以外から提供されるのであれば、ユーザー企業にとってみれば、それは、デルやヒューレット・パッカードから別途、クライアントPCを購入するのとなんら変わらない仕組みになるともいえる。

(中略)

サービス/サポートに高い評価を下したユーザーは、必ずと言っていいほど、次も同じブランドの製品を購入する。日本IBMからレノボ・ジャパンに名称が変更しても、サービス/サポートの品質が維持されるということは、今後のレノボのPC販売にも大きなプラス要素となるのは間違いない。

IBMの顧客に提供されるPCはIBM製からレノボ製に変わるが、サポートはIBMが引き続き行うことになる。だから顧客はIBMからレノボに変わっても不安に思う必要はないという論理である。
しかしここに注意すべき点がある。
今まではIBMは顧客に対してPCの提供を行い、同時にサポートも提供してきたのである。つまり製品の提供とサポートは一体になって行われてきたのである。しかしこれからは製品の提供はレノボが行い、サポートはIBMが行うことになる。製品の提供と製品のサポートは分離されたことになる。
とりあえずは当面は顧客に対してはレノボ製のPCとIBMのサポートがセットで提供されるだろう。しかし将来的にもこの二つがセットであり続ける必要があるのだろうか?
手切れというのは充分あり得ると思う。