低賃金国家の逆説的罠

中国】EU環境規制で打撃?、揺れる中国企業
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050511-00000019-nna-int

EUで施行される電気製品に対する環境保護基準が中国企業に対して打撃を与えるかもしれないという記事。

キモはここ。

WEEEではメーカー側に廃電気・電子機器製品の回収および処理費用の負担を義務づけている。回収処理費用は国によって異なるが、スウェーデンの回収業者は洗濯機1台当たり9.2ユーロ(約1,200円)、電子レンジが4.9ユーロ、オランダの業者は冷蔵庫17ユーロ、大型電子機器5ユーロなどと費用を設定している。

輸出全体の30〜40%がEU向けとなっている電子レンジ大手の格蘭士(ギャランツ)は、「輸出製品数台分の利益が、1台分の処理費用に匹敵する。輸出すればするほど赤字になる」と頭を抱える。

何が面白いって、電化製品1台あたりの処理費用が定額で、しかも消費国つまりEUという先進国の値段で設定されていることだ。
電化製品の製造コストはそりゃ中国などの低賃金、低コスト国の方が断然安い。しかし処理コストの方は電化製品がどんな国で作られようが一律で消費国の事情で決まる。洗濯機1台1200円という処理コストは日本なら高めのランチか漫画の単行本2,3冊くらいの値段でしかない。しかし人件費や物価が安い国ならそうはいかない。処理コストが絶対的金額で一定なら、その打撃は低賃金、低コスト国の方が相対的に大きいのだ。
こうした環境規制はWTOが非農業分野の貿易自由化交渉で非関税障壁として槍玉に挙げられるという観測があるが、確かに貿易問題ではある。