空母ミンスク撃沈!

撃沈されました。

1日付の中国紙、新京報によると、旧ソ連軍の退役空母「ミンスク」を展示していた広東省深●市のテーマパーク「ミンスクワールド」の運営会社が経営破たんし、2月28日に中級人民法院(地裁)が破産宣告した。

ミンスクについて


4隻建造キエフ級空母の二番艦である。満載排水量4万トン、全長273メートル。
詳しいデータはここなどを参照して下さい。

キエフ級航空重巡洋艦
http://www.h3.dion.ne.jp/~okumoto/page040.html

ミンスクは1972年起工、1978年竣工。1979年に太平洋艦隊に配備された。
あいにく旧ソビエトの大型艦艇は冷戦後、かなり悲惨な運命を辿っている。このクラスも例外ではなく、3番艦までは退役、4番艦は大改造の上、インドに売り飛ばされた。

ミンスクは1992年退役、1995年韓国にスクラップとして売却、その後中国に売り飛ばされてテーマパークになった。
このテーマパークに行った日本人はわりと多いようでgoogleすると写真やら旅行記やらが簡単に見つかる。

google: ミンスク 空母

以上の話はgoogleすると簡単に見つかるものである。以下googleしても簡単に見つからない話を書く。
といっても特別の情報源があるわけではない。実は老舗の軍事誌、世界の艦船で、今ちょうど「ソ連/ロシア空母建造秘話」なる記事が連載されているところなのだ。しかも今月号ではキエフ級の末路について触れている。著者はロシア人で、ロシアの豊富な一次資料を駆使して書かれている。
で、この記事によるとミンスクの売却にはとんでもない裏があるらしい。上でミンスクは韓国にスクラップとして売却されたと書いたが、実はその売却先の韓国の企業というのが、旧ソビエト海軍の提督が設立したダミー会社なのである。売却金額は450万ドル、約五億円。四万トンの空母が五億円である。しかも売却時にはミンスクに装備された最新兵器は撤去することになっていたが、この取り決めは忠実には守られなかったらしい。
その後、ミンスクは500万ドルで中国に売却された。ロシアから韓国に曳航して係留しておく費用を考えるとただ同然か赤字の値段である。売却金額は10億円という説もあって、こっちの方が妥当だと思うが、それでもかなり安い。
実はこれも裏がある。中国はこの時期、キエフ級の三番艦のノボロシスクも手に入れているのだが、この二隻を入手するにあたって当時のロシア・エリチィン政権に猛烈な買収攻勢をかけたらしい。したがってキエフ級空母の売却は、表向きはともかく裏ではそれなりに黒字になったのは間違いない。とんでもない話だし、国有財産の私物化以外の何者でもないのだが、ロシア経済の市場化の過程ではもっととんでもない国有財産の私物化が行われたのである。英プレミアリーグチェルシーのオーナー、アブラモビッチもそうした国有財産の私物化によって成り上がった大富豪である。チェルシー買収に際しては数百億の金が右から左に動いているから、それに比べればキエフ級空母なんぞ安い物だ。
というわけで一つ予言をしておこう。

ホリエモンの次のターゲットは空母ミンスクである

テーマパーク「ミンスクワールド」の負債総額は負債総額は8億6700万元(約110億円)だそうな。買収するとなれば10億円くらいにまけてくれるだろう。中国という国はそのへん融通無碍だ。
そんでもってニッポン放送の買収に失敗したら、お台場にでも引っ張ってくるのだ。フジテレビの目の前に旧ソビエト海軍の空母があるなんて究極の嫌がらせである。
マストに赤旗が翻っていれば完璧であろう。