海底からの生還

海底からの生還 (光文社文庫)

海底からの生還 (光文社文庫)



以前単行本(ISBN:4334961126)で出ていたものの文庫化。
1939年5月22日、北大西洋ニューイングランド沖で潜航試験中であった米海軍潜水艦スコーラスが事故のため沈没、乗組員は深度74メートルの海底に横たわった潜水艦内にとじこめられた。だが米海軍の迅速な救助作業により生存者33名は無事海中より救出された。
この救出活動の実質的な指揮を執ったのが本書の主人公、スウェード・モンセン大尉で、救助作業で活躍したレスキュー・チェンバーは彼の発明による。しかしそこへいたる道は平坦ではなく、周囲の無理解と戦いって、ほとんどProject Xな話である。しかもProject Xなのはレスキュー・チェンバーの開発だけではなかった。レスキュー・チェンバーの発明以来、モンセンと部下達は救助作業のための厳しい訓練を積んできたのだが、海中での救助活動はそれ自体が命懸けであった。

「問題が発生しました」と彼が報告してきた。ダンカンはヘルメットの換気システムが対応できる以上の二酸化炭素--ダイバーたちはそれを"煙"と呼んでいた--を吐き出していた。
「言ってみろ」とモンセンは静かに語りかけた。
「私……私……できない……私」と彼は呟いていた。失神直前で、支離滅裂な状態になっていた。

海底からの生還200頁(ただし単行本版)

ポイント

  • 潜水艦もの
  • 技術者魂
  • ダイバー
  • 破天荒な人物の伝記
  • 閉所恐怖症の人にはお勧めできない
  • サンダーバード的救助活動、予期せぬ事態が次々と