イラクの外国人労働者問題
- 武装勢力が外国人拉致 イラク北部、ブラジル人か
- http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050120-00000032-kyodo-int
ネタ帳に付箋張って忘れていた問題。ロナウドまで出馬とは。
それ以前にも中国人労働者が拉致された事件があったが、このイラクにおける外国人労働者問題はかなり深刻である。
まずイラク自体の失業率が非常に高い。公式に近い筋の統計で18%から40%(ABC News),アルジャジーラでは70%なんて数字を出している。
どの数字を信用するにしろ、イラク人が失業にあえいでいる状況で外国人労働者がせっせと働いているという構図は奇妙だ。
もうひとつ。イラク復興事業は概ねアメリカ企業が独占している(海外ボツ!News,日経新聞)のだが、その復興事業の下請けに中国企業が入ってきていたりするのだ。このあたりきっちり調べようとしたがさすがに安楽椅子ジャーナリストの手には負えない。
まあとにかく、これはどういうことかというとイラク復興のための資金は諸外国からの援助とイラク自身の石油収入から賄われているのだが、元請け米国企業、下請けエジプトやブラジルや中国企業、労働者も外国人という体制で復興事業が行われているので、復興資金が海外に流出してしまう。イラク自体には富が蓄積されない。このあたりODAによる建設事業や、地方に立派な公共施設ができても建設費用のおいしいところは中央のゼネコンが持って行く構図に似ている。
というあたりをきっちり調べて長めのエントリで発表すれば、ネットジャーナリストの仲間入りが出来るんじゃないかと思ったのだが(笑)調べ始めて5秒で決定的な資料がみつかったのであった。
- The Iraq Jobs Crisis
- http://www.epic-usa.org/Default.aspx?tabid=262
日本語の要約はこちら
かようなわけで安楽椅子ジャーナリストとしては終了を宣言せざるを得ない。もちろんこの資料自体の検証をする必要があるが、完全にやろうと思えばイラクに乗り込んでいって取材とかしないと無理だろうな。
うーむ、ほんとに市民ジャーナリズムなんてのは成立するのか。どっかの専門家が作成したリポートや記事を元にして論評ジャーナリズムや引用ジャーナリズム、参照ジャーナリズムに堕するのがオチではないのか。