戦争請負会社

戦争請負会社

戦争請負会社


うちにリンクしていただいたエントリ(http://d.hatena.ne.jp/Gomadintime/20050101)から存在を知る。
初売りでこういうものを買うのは性だなあ。

Private Military Company(PMC)またはPrivate Military Firm(PMF)と呼ばれる民間軍事企業についての本。
どういうものかというと面倒なのでNHKスペシャル紛争ビジネス 知られざる民間軍事会社のホームページから引用させてもらう。

民族・宗教対立、資源争奪戦、そして「テロとの戦い」―。世界各地で相次ぐ紛争の舞台裏で今、「民間軍事会社(Private Military Company)」と呼ばれる企業が活動を広げている。
これまで軍が独占的に担ってきた業務を代行するこうした企業は、90年代に入り、欧米を中心に続々と誕生し、売り上げを伸ばしてきた。このうち、アメリカの大手、MPRI社は、これまでに30か国以上に展開、ビジネスとして、外国の部隊の軍事訓練などを請け負っている。また、イギリスのアーマーグループは、高度な警備サービスが中心の民間軍事会社で、将来は国連のPKO・平和維持活動にまで手を広げたい考えだ。

これだけ読むと第三世界で暗躍する傭兵の会社みたいにみえるが、本書では戦闘部隊だけではなく軍隊における輸送、整備、兵站、情報収集、基地建設といった役務全般を提供する民間企業もひっくるめてPMFとして扱っている。華氏911で米軍の兵士が自分たちが護衛するトラックの運転手のほうが給与が高いとぼやいていたが、そのトラックの運転手もPMFなのである。欧米の軍隊では後方警備を含む最前線以外の全てがPMFに対してアウトソーシングされつつあるというのが実情である。
というか華氏911でさんざん槍玉に挙げられていたハリバートンPMFの元締めみたいな会社で、そこの副社長だったのが現米国副大統領ディック・チェイニーである。PMFの実体や問題点がどんなものか想像がつくであろう。実際その通りなのだ。
エグゼクティブ・アウトカムズのような個別の事例は知っていたが、まとまった本にお目にかかったのは初めてである。
しかし積ん読が溜まっているのでじっくり読めるのは何時の日だろう。

追記

ググッてみたら面白い文献があった。

御本家のサイトはここだろうか

Corporate Warriors The Rise and Ramifications of the Privatized Military Industry
http://www.brook.edu/views/articles/fellows/singer_20020128.htm

その他

国際介入・主権・「民営化」アフリカの「契約部隊」をめぐって
http://www.tokai.ac.jp/spirit/shuppan/HS02/03_01.pdf