ASEANのバルカン化

バンコク=平田浩二】タイ南部でイスラム武装組織と治安部隊の衝突が頻発している問題で、タイのタクシン首相の発言が近隣のイスラム国、インドネシアとマレーシアに波紋を広げ、外交問題に発展している。

首相は先週末の国民向けのラジオ演説で、一連の襲撃事件に関与した武装勢力について「インドネシアの過激派に影響を受け、マレーシア北部クランタン州などで破壊活動の訓練を受けている」と発言。これに対し「証拠を示すべきだ」(インドネシア)「過激派の拠点であるはずがない」(マレーシア)と両政府から強い反発を受けた。

前から思っているのであるが、ASEAN諸国はアジアのバルカン半島になりかねないのではないかと思う。
共通点は多い。

  1. 小国乱立(といっても人口的にはバルカン半島とは比較にならないほど多いが)
  2. 民族乱立及び対立(インドネシアだけでも27種族が存在するそうな。from 外務省)
  3. 宗教乱立及び対立(イスラムについては上の通り。この前書いた東チモールキリスト教だ)
  4. 隣接して大国が存在し介入を受けやすい(バルカンはロシア、トルコ、欧州勢。ASEANは中国、インド。日本、オーストラリアも入るか。後もはやどんな国にとっても隣の大国であるアメリカ。介入の事例としてはオーストラリア主導による東チモール多国籍軍)

大石英司が大昔、インドネシアは2020年頃には日本を凌ぐ経済大国になると小説に書いていたが、現状はそうなるかどうか怪しい。日本がインドネシアより下に沈んでしまうが故に日本を凌ぐ経済大国にという可能性の方が高いかも知れない。