文章表現 四〇〇字からのレッスン

文章表現400字からのレッスン (ちくま学芸文庫)

タイトルからしウェブログで書く文章にお困りの方向けに見えるが、実はとんでもない罠が待ち受けている本。

著者によるとよくない文章には3タイプある。


A だれでも書くような事を、だれにもわかるように書いた文章 -> "駄文"?
B 自分にしか書けない事を、自分だけわかるように書いた文章 -> "悪文"?
C だれでも書くような事を、自分だけわかるように書いた文章 -> "誤文"?

梅田卓夫 「文章表現 四〇〇字からのレッスン」 18ページ

ほとんどのウェブログの文章はこのA,B,Cのどれかにあってはまってしまうだろう。
3つのうちどれが最悪かというと著者の主張ではAの「だれでも書くような事を、だれにもわかるように書いた文章」なんだそうな。こういう文章ばかり書いていると、結局は原稿用紙のマス目を埋めるという日常に堕してしまうからだ。著者の目標は「自分にしか書けない事を、だれにもわかるように書いた文章」である。
しかし「俺がこれを書かなきゃいかん」という内的必然性にほんの僅かでも支えられたウェブログなんて世の中にいくつあるんだろう?あなた以外に誰が書いても別に同じやんというものばかりでないかい?そういうわけで実は結構厳しい本なのであった。

<不良>のための文章術 (NHKブックス)とはある意味対極にある本だろう。
お勧め度は微妙。今の世の中あえてよい子に生きるという真の不良向けかも。

[permalink][contents][page top]