イギリス革命史

学研の学研学習事典データベースによると名誉革命国王がかってな政治をしたため起きたそうな.
子供向けの事典ならこれでもよいがもう少し大きい人向けの本が「イギリス革命史」である.

イギリス革命史(上)――オランダ戦争とオレンジ公ウイリアム
イギリス革命史 下 - 大同盟戦争と名誉革命

後に英国が日が没せぬ帝国になったり,民主主義の世の中になったりしたので議会政治との絡みで名誉革命は歴史の教科書でも大きく取り上げられているが,当時の視点では名誉革命は重要とはいえ単なる1エピソードに過ぎない.この時代のヨーロッパの主題は太陽王ルイ14世の領土拡張政策であり,名誉革命でイギリスの王位についたオランダのオレンジ公ウィリアムは反仏同盟の主役であった.つまり名誉革命は英国が王政復古で即位したチャールズ2世以来の親仏的な立場を捨てて反仏的な立場を取る転機となったのであり,この流れが後のナポレオン戦争まで続いていく.歴史教科書的記述では名誉革命は純粋な英国の国内問題のように書かれており,対外的な視点が欠如している.本書はこの名誉革命清教徒革命に始まり三次に渡る英蘭戦争,フランドル戦争から始まるオランダとフランスの戦争,そして名誉革命の後の大同盟戦争に至る歴史の流れの中に正しく埋め込んでいる.
上下二巻合わせて5000円は買うのには迷ったが漢買いしてしまった.こういうことをやるから金がなくなるのであるな.



[permalink][contents][page top]