二人のガスコン

二人のガスコン〈中〉 (講談社文庫)
二人のガスコン〈上〉 (講談社文庫)
二人のガスコン〈下〉 (講談社文庫)

読了.
ダルタニャンとシラノ・ド・ベルジュラックともう一つのアレのフランス3大話を,上中下の3巻本に詰め込んだ,はいいのだが緩い感じは否めない.
緩い理由の一つは登場人物が1000ページオーバーの長編にしては少ないことだろう.主要登場人物は6人(ダルタニャン,シラノ,ル・ブレ,クルパン,マザラン枢機卿,マリー・ドゥ・カヴォア)しかおらず,脇役を含めても20人いないか.
もう一つは登場人物,特に敵役が弱いことだろう.後のダルタニャンとマザラン枢機卿の関係を考えるとマザラン枢機卿はあのように描かざるを得ないし,オルレアン公は情けないし,一番の悪党はどうしようもない駄目人間だ.ちなみにこの物語の真の敵役は作中には一切登場しない故リシュリュー枢機卿である.やはりリシュリューは偉大だ.
なお解説にも書いてあるが,副読本は必須.

アレクサンドル・デュマの三銃士は必読.作中では史実ということになっている.「ダルタニャンの生涯―史実の『三銃士』」も読んでおいた方がよい.シラノは読む必要はないとは思うが,シラノ・ド・ベルジュラックという人物についての豆知識くらいはあったほうがよい.あとフランス史最大の謎と言われるあの男についての知識もないと困る.フランス史やフランス文学(というほどのものでもないか)にある程度通じてないと楽しめない本ではある.
つまるところ,くたびれた「三銃士」なのですね.この本は.

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