livedoor VS ナベツネ

「あれはもう決着済み。近鉄が声明出しただろ。だからないよ。あっても野球協約32条の付属内規を読めば分かる通り、加盟できないんだよ。過去形だからすべて。もう終わってるよ。だって、オーナー会議で承認しなきゃいけないんだから。知らない人が入るわけにはいかんだろ。10球団になるか11球団になるかはわからんが、プロ野球には伝統ってものがあるんだから、金さえあればいいというもんじゃない」

ナベツネ先生はlivedoorなんぞ知らないそうです.
堀江貴文社長はTシャツにチノパンで登場したそうだが,ネベツネは茶化して絵になる相手じゃないんだよね.むしろ頑固ジジイ的な良さが表に出てきてしまう.
あの先生を相手にするならピシッとして格好をして,若造みたいな隙を与えないほうがいいと思うが.

追記

とはいえ近鉄オリックスが合併を取りやめる可能性は小さくはないと思う.
理由はあまり合併のメリットがなさそうだからである.

企業合併のメリットというと

  • 商圏の拡大,顧客数の増大,売上高の増大
  • 規模のメリット
  • 資源の選択と集中

があるが,これらの点を近鉄-オリックスの合併について検討してみると

商圏の拡大,顧客数の増大,売上高の増大
オリックスは神戸,近鉄は大阪が本拠なので,合併すれば商圏が拡大しそうに見えるが地域権の問題で反対されてます.阪神はそういうことを言うのなら甲子園に「大阪のお客さんは近鉄を見に行ってください」と看板出せばよかろうに.本拠地兵庫なんだから.それはともかく商圏は拡大しないし,球団が合併した場合ファンも離れる可能性は高い.つまるところ売り上げの増大には繋がらない.すくなくとも1+1=2にはならない.1.5になるかどうかも怪しい
規模のメリット
これも駄目.普通の企業なら合併すれば100+100=200になるが,球団の保有する最大の資産である支配下選手の数には制限がある.よって企業の規模も支配下選手の数に見合うまで自動的に縮小される.100がせいぜい110になるくらいだろう.
資源の選択と集中
これが企業合併の最大のメリットだと思う.両球団の優良な資源=選手を選択集中して強い球団をつくる.オリックスはどうも当初これを考えていたと思うのだが,猛反発受けている.資源の選択と集中なんて企業経営の基本中の基本みたいなことによその企業が介入してくるプロ野球自由経済のルールに乗っ取って運営されているとは思えない.共産主義以前の中世の「座」とか「ギルド」みたいなものである.実際,新規参入が厳しく,重要事項は合議性で運営されるところなどまさに「ギルド」である.共産主義以前の企業のありかたである.だったら放送権料の分配をやってもよさそうなものだがそういうのは原始共産制なのだそうな.

そういうわけで近鉄-オリックスの合併に伴うメリットはあんまりなさそうなのである.というか他球団がよってたかってメリットを0にしようとしている.事実上の最高決定機関がオーナー会議=野球ギルドなのでライバル企業の経営に介入することが可能なのである.しかしこんなのは21世紀において許されることではあるまい.
野球ギルド制を打破して,プロ野球界をコミッショナー主導の体制に移行しない限り,プロ野球界の改革などあり得ないだろう.




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