「スピード」は「習慣性のある合法ドラッグ」

だれがIT技術を使ってわれわれ自らが創り出したはずの「時間」を、食べてしまっているのだろうか。それは本来、個人個人の「余暇」という名の猶予時間として還元されるはずのものだったのだ。

、暇が「正しいもの」かどうかという議論はさておいて、時間はお金と同じく個人の重要な資産であり、自らが使い道を考え判断できるべき大事なリソースの一つであることにはかわりない。世の中には「お金持ち」になりたい人が居るように、「お時間持ち」になりたい人が居てもおかしくはないはずだ。

 大陸型資本主義の原則なのかもしれないが、現代は、「お金持ち」になりたい人の思考や嗜好が体制の“骨組み”や“ルール”を決め、活動する舞台を形作る。残念だが、「お時間持ち」を望むベクトルの異なる人は、そのステージから降りることでしか自らの夢を実現しずらいおかしな世界になりつつあるようだ。

モモ(ミンキーじゃない方)ですか
モモ―時間どろぼうとぬすまれた時間を人間にかえしてくれた女の子のふしぎな物語 (岩波少年少女の本 37)

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