武勇伝

日本の航空宇宙業界の現状

というわけで、始まったパネルディスカッションでは、「結婚には三つの袋というものが」という話…ではなく「研究開発では、頭と手と足が動いている必要がある。考えること作ること、色々な人にあってコネクションを作ることだ。過去数十年に渡って航空宇宙分野は頭ばかりで、手と足が動いていなかった」という話をする。「短距離離着陸機の飛鳥以降、旧航空宇宙技術研究所(NAL)は20年間、毎年200億円の予算を使いつつ何一つとして実験機を飛ばしてはいない。ラジコンでいいから毎年実験機を飛ばすべきだ」とも。

「パリエアショーでなにが恥ずかしいって、まったくやる気が感じられない航空宇宙工業会の展示が恥ずかしかった」と言うと、横でパネラーとして出席していた三菱重工の方が、吹き出し笑いをした。そうか、誰もが感じていたことなのか。
 なにしろちょっと先では、リージョナルジェットを開発している中国が売る気まんまんの営業活動を展開しているのに、航空宇宙工業会の展示ブースでは、ババ引いて出張を押しつけられたとおぼしき説明要員が、つまらなそうにコーヒーを飲んでいたのだ。私思うに、日本が旅客機を作れないのは、単にやる気がないだけだ。いろいろ理由はあると思うけれど、決定的に足りないのはやる気だと思う。

やっぱやるきだよね,と他人事のようにつぶやいてみる.

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