第6回世界の万年筆祭

場所は日本橋三越の7階。日本橋三越自体行くのは1年半ぶりくらいか。普段は銀座線に乗れば三越前は通過して末広町、つまり秋葉原に行くし、半蔵門線なら手前の神保町どまりだ。
"世界の万年筆祭"といっても7階全部を占めるようなイベントではなく、江戸の技と味展とかいうイベントと同居していた。というかこっちの方が閉めるスペースが圧倒的に大きい。そういうわけで、悪い意味で日本的な貧乏くささが漂うブースを抜けて、万年筆祭会場にたどり着くことになる。
まず会場正面ではアンケートを兼ねた、万年筆の人気コンテストをやっていた。後日抽選でそれらの万年筆が当たるそうな。人気コンテストといっても超豪華限定品の対決ではなく2万円クラスの商品の対決である。そうじゃなきゃプレゼントなんかできんわな。僕はパーカーに入れる。
ちなみに持参した立派な万年筆でこのアンケートの用紙に記入していく人が多かった。さすが万年筆祭である。僕も対抗したが、ペリカンM400(定価28,000円)ではあの世界の人たちには歯牙にもかけられないだろうなあ。
会場には僕が名前を知っているメーカーはだいたい出ていた。なかったのはモンテグラッパくらいかしら。珍しい?ところではコンウェイ・スチュワートとビスコンティがあった。
展示物は定番主体だが、新製品のお目見えも兼ねていた。まだ店頭にもおいてないようなものも少々。あとは限定品。どうも総力をあげて在庫の限定品をかき集めてきたようで、僕は詳しくないのだけど、市中には在庫のないものも展示即売されていたらしい。アウロラのところには日本国内に1本しかないとかいう限定品の万年筆があって、濃さそうなマニアの人が驚いていた。ああ、でも帰りに寄った伊東屋の某支店の陳列棚に同じ物があったような(笑)
客層は冷やかしを除けば、前述した濃さそうなマニアか、ポンポン買っていく人の2種類が居た。さらにポンポン買っていく人にも2種類いて、万年筆から始まり、同じデザインのボールペン、シャープペンをごそっと買っていく人がいる。僕がペリカンの試し書きをしていた脇でも、そういう商談が進行していた。どうやら贈答品として誰かに送るらしい。入学や就職シーズンなのでそういう需要があるのだろう。
ペリカン800シリーズ1式贈られるとはうらやましい。でも筆記具は自分で買いに来ないと駄目だよ(笑)たぶんほぼ確実に死蔵されるだろう。でも最近の若い人(爆)ならヤフオクで売りさばくという手もあるか(笑)
もう片方のポンポン買いは、店員というか説明員に勧められるままにポンと買っていく人。こちらの事情は僕にはよくわからない。まあ数万円程度の出費は小遣いの人なのだろう。


せっかくなので、いろいろと試し書きをしてみる。会場の1角には万年筆20本くらいが試し書きできるコーナーがあったし、各ブランドのブースでも試し書きができた。でも結論はいつもと同じでペリカンくらいしか僕の手には合わないようだ。あとはパイロットのカスタムシリーズくらい。アウロラには期待したけど、ひじの間接ががひっかかるような感じがして駄目。僕はどうも筆圧が高いくせに、筆圧をかけて文字を書くと、肘や肩を痛めるというやっかいな体のようで、ある程度の堅さがあって、なおかつ筆圧0で書けるという筆記具じゃないとメモ書きならともかく、それ以上の長さの文章を書くとすぐにあちこち痛くなる。
そういう都合のいい筆記具は一部の万年筆とファイバーチップペンしか存在しない。そもそもそういう都合のいい筆記具が存在するということが判明したのも割と最近のことだったりする。
あと試し書きコーナーにあったモンブラン、マイスターシュテュック146は重量のバランスがおかしかったようで、不評の原因となったかもしれない。ペンのキャップをとらないとまともに書けないし、キャップを外した状態でもおしりが重すぎる。後述するけど僕がペンクリニックで直してもらった146もあんな変なバランスではないし、念のためモンブランブースでも146を試したけどバランスは良好だった。モンブランの人はインクが満杯だとああなるんだと説明していたけど、それを考慮に入れても変だと思う。ちなみに2chのスレでも同じような指摘をしている人が居たところをみるとあれが変だと思ったのは僕だけではないらしい。


以前書いたペリカンM400のインクが1週間くらいでなくなる件であるが,ペリカンの人に相談してみたところ400字詰原稿用紙で40枚以上はかけるらしい.意外と少ないというのが正直な感想.100枚くらいは書けると思ったぜ.で40枚というのは微妙な数字で,ベースの数字としては,ポケット手帳に1週間に20枚分くらいは書いているのだ.で,もう20枚はなんかの間違いで書いていそうである.


少し前に書いたモンブラン146のことですが.なんで僕がこんなものを持っているかというと,円が100円切っていた時代に香港で買ったのですね.たしか1994年のことですかね.なぜモンブラン146かというと,ええブランドです.そういう時代にそういう背景で買ったので,すぐに机の引き出しの肥やしになりました.
今回これを引っ張り出して,ペンクリニックでメンテしてもらいました.幸いペン先のクリーニングだけで済み,現在定価59000円の万年筆は無事戦列に復帰しました.あのころよりは万年筆の価値や扱いは分かっているつもりなのでもう肥やしにはならないでしょう.
とはいうものの,これをバリバリ使うかというと,そうはしないと思います.目先を変えたいときとか業務日誌のように愛想のない文章を書く時には使うでしょうけど.残念ながらモンブランは僕が使うには,ペン先が固すぎる上に少し重過ぎるようです.とはいえさすがモンブランといえるところはあって,書いていて調子が出てくると,ペン先のすべりのよさとその重みのおかげで,腕が勝手に運ばれているような感じがします.文字通りすべるように書けるというやつです.たぶん頭の中に書くべきことがぎっしり詰まっていて短時間で吐き出さないといけないような状況下ではモンブランはかなり有力な武器になるでしょう.とはいうものその代償は大きそうで.僕の場合確実にひじを痛めると思います.
一方今愛用しているペリカンはこれとは逆に軽くてペン先が柔らかいので,(それでもM400は硬いほうの部類に入るのですが),これを使う分には手首やひじや肩に負担がかかることはほとんどありません.数時間くらい書きつづけたり,1時間で2000字近く書いても平気です.またペリカンの場合,思ったことがタイムラグや夾雑物なしにそのまま書けるので,その点を重宝してます.僕はかなり神経質なところがあって,書いているときにペン先でカリカリ,ガリガリやられるとすぐに気が散ります.
はっきり言えば僕は万年筆を下書きに使っているわけで,ここから出てくる文字や文章は自分ですらあとから判読不能になることが多いのですが,僕の場合,清書や校訂はパソコンの役割になってますので,僕にとっては万年筆はモンブランよりペリカンの方がふさわしいのでしょう.万年筆命みたいな人からは顰蹙を買う理由かもしれませんが,あいにく僕は小学生のころから手で端正な文字を書くなんて試みは放棄しています.
さて,これで名の通ったブランドの定番製品が2本揃ったわけで,あとペリカンのM800を買って,もう一本限定品でも買えばコレクションの核が出来るって,コレクターはやらないはずだろう(笑).
ペリカンモンブランはどちらもドイツ製なので限定品はアウロラあたりにすれば,これはイタリアものなので,コレクション的には1本で2本分の価値が(笑)
あのアウロラってまだ置いてあるかなあ?限定品といっても普通の値段だから買えないことはないんだよね.
いかん,邪念が(笑)

追記
買いました.http://d.hatena.ne.jp/moleskin/20040318#p9


追記2005/03/18

現状を書いておくと、モンブランは結構出番が多い。まず会議(笑)。あと程度長い文章やらメモ書きやらはほとんどこれ。
ペリカンのM800は買った。ただあまり出番がない。
アウロラはメモ専用というかある種のマスコットになっている。