ウェブログ・ハンドブック-ブログの作成と運営に関する実践的なアドバイス

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Get しました.
書店脇のカフェで昼飯を食いながら,とりあえず,訳者あとがきとあとがきを読む.
この部分だけを読んだ感想としては,Blogはすでに終わったんじゃないかという不敬不信心なものである.(不信心に訂正)
より正確に言うとある種のナッシュ均衡に陥ったということである.
yomoyomo氏も(手を振ると反応するかな?おーい)訳者後書きで語り,著者もあとがきでこう述べている.


私は,これらフィルタが選択した方向性は危険だと思う.「ハイテク過食症」の中で,著者のDavid Shenkは8番目の法則として「バーチャルな世界においても,類は友を呼ぶ」と述べており,この1年間に形成されたウェブロググループの多くが直面していると私が思う状況を明確に表現している.
「ここに文化的な同族意識を真の共通理解だと誤解する大きな危険性が見られる.(中略)多元的民主主義には一定の理解と合意が必要になるが,それは多様な視点を理解し,共通の問題について合意できることが基本になる.」

ウェブログ・ハンドブック 217-218P

これはなんというか,日本では「タコツボ化」とか「セクト化」と呼ばれるありふれた現象,コミュニティの終末点,あるいは緩慢な死とでも言うべき均衡点である.当たり前のことだがWeblogも人類の歴史上に存在したさまざまなコミュニティの形態のone of themに過ぎず,そういったコミュニティが辿る道をほぼ辿り終えたというところか.もちろん技術的には洗練され,ココログに代表されるようにコモディティ化するだろうが,それはナッシュ均衡の状態を量的に拡大するだけではないのか?
それにしてもこのあとがきはかなり興味深い.「2002年の初め,プロのブロガーの一人が,彼女の知る限りでは,今ではウェブログとして知られるものを2001年に自分が発明したと書いた(214ページ)」というところを読んで,苦笑を漏らすBlogger,Web日記作者,その他もろもろは少なくないだろう.あの事件である.やはり「日の下には新しきものなし」ということらしい.

追記

著者レベッカ・ブラッドのインタビューも載せておこう
http://www.hotwired.co.jp/matrix/0305/002/index.html
訳者yomoyomo氏のサポートページはこちら
http://www1.neweb.ne.jp/wa/yamdas/handbook/index.html

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