サガン鳥栖FCの存続を願う署名

http://sagantino.tokyo.g--z.jp/
正直迷ったが,脆弱な財政基盤を持つクラブのサポであることを棚に上げて署名しないことにした.
なんというか,クラブが存続しさえすれば,それでよいのかという問題である.
いや別によくいわれる「今回の危機を乗り越えればそれでいいのか」という問題ではなく,そこに所属する選手たちのことである.
今の,あるいは来期に所属するであろう選手たちにとって,サガン鳥栖に所属するということは幸福なことだろうか?
言い方は悪いが,客観的事実を言ってしまえば,サガン鳥栖に所属するような選手たちは,一部を除いて,サガン鳥栖がなくなってしまえば,プロサッカー選手としての生命を絶たれるだろう.とはいうものの財政が脆弱で,内紛が絶えず,観客もサポも少なく,44試合やって3回しか勝てないようなクラブに所属するというのも,それに劣らず不幸だと思う.
たとえ話をするのは危険だと書いたばかりでやってしまうが,どっかの会社,飲食店がいいか.そこは万年赤字で,給与は少なく,遅配はあたりまえ,経営者は極悪で,残業代の未払いは常態化している.こういう状態なので倒産という話が出てくる.ところが数が少ないとはいえ声が大きい常連客が団体で押しかけ叫ぶのである.「俺たちの店を潰すな.どこで飯を食えばいいんだ!」どういうわけか全国的な存続運動となり,小額とは支援が得られたりして,店は一息つく.とはいえ経営者が極悪から素人の無能に代わっただけで,労働条件の極悪さは変わらない.そんな店の従業員になりたいですか?確かにこのご時世,ここがつぶれたらみんな失業保険暮しだろう.でもこの店の従業員でありつづけるのも不幸ではある.
サガン鳥栖は劇的(といっても大したレベルではないのだけど)に状況が改善される見込みがない限り,つぶれるのもやむをえないというのが僕の意見だ.自分の町にクラブがあるのはサポーターにとっては喜びかもしれないが,クラブに所属する選手達はどうだろう?僕には,今のサガン鳥栖というクラブは,所属する選手たちに苦しみしか与えない存在にしか見えない.そんなクラブは消滅してもしょうがないんじゃないの?もう解放してあげようよ.
僕が基本的に選手たちに(もちろん僕たちの選手たちに)ブーイングを飛ばさないのはこれに近い理由による.残念ながらサッカーの勝敗の8割はピッチの外の要素,それこそ財政基盤とかで決まってしまう.ピッチの上で敗れたのは選手たちで,直接的には敗北は彼らの責任だが,同時に彼らもまた状況の犠牲者なのだ.犠牲者にさらに鞭打つほど残酷なことはない.敗れたという事実だけで罰は十分だろう.野球と違ってサッカーには降格という究極の罰があるわけだし.
このポリシーがいつも守られるわけじゃなくて,特にアウェイの市原戦に行ったときは怒りまくった挙句,チームを見捨て前半で帰ってしまった.もちろん天罰はすぐに下った.市原臨海競技場というところは,行ったことがある人はわかると思うけど,陸の孤島みたいなところにあり,車以外にアプローチの手段がない.そして係りの人に,ハーフタイムには五井駅へのシャトルバスは出るかどうかわからないと言われ*1,頭に来ていたので駅まで歩いていくことにした.
ナイトゲームだったので当然夜で,駅まで一本道とはいえ,土地鑑のない暗い夜道を延々と歩いていったのである.まったく心細かった.千葉というのは,僕の認識ではヤンキーと暴走族しか住んでいない場所で,そんなところで夜道を歩くのは無茶である.今考えれば五体満足で生きて帰れたのは奇跡としか言いようがない.
やっぱりポリシーに外れたことはするもんじゃないね(笑)

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*1:係の人の名誉のために言っておくと,ハーフタイムには,帰る人数がある程度まとまらないとバスは出ないのだそうだ.係りの人はとても親切だったと明言しておく.夜道を歩くはめになったのは100%僕の判断であり,責任である